大判例

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広島高等裁判所 昭和27年(う)576号 判決

控訴の趣意第一点(採証法則違背の結果事実の誤認ありとの主張)について。

原判決が被告人等に対する公務執行妨害の訴因に対し、その証明が十分でないとのみ説明し無罪としたものであること原判決に徴し明らかなところである。訴訟記録を精査して検討するに原審において証人小早川広、同岡堂浩視、同村上計二郎、面落合省三、同栗原万平、同木曽計人が取り調べられており、その供述中訴因として主張にかかる尾道公共職業安定所における職務の執行を妨害せられた旨の記載がある。これによつてみるならば検察官としては公訴事実において主張した訴因たる事実は一応立証したものといふべく、このように公訴事実について一応の立証があつた場合においては第一審としては単に証明が十分でないというのみに止らず、これらの証拠をいかなる理由で措信しなかつたものか、或はこれらの証拠によつては公訴事実を認定するにどの点が足りないのか、そのよつて来る所以を説明しなければならないと解すべきである。けだし刑事訴訟法は当事者主義を強化して、先づ検察官をして公訴事実についての立証をなさしめることとし、更に審級制度において控訴審を事後審とし第一審判決の当否を審査することとしたことからいつても当然というべきである。してみると原判決には理由不備の違法があることになり、論旨は結局理由あるに帰着する。

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